川崎汽船
Kawasaki Kisen Kaisha,Ltd.
「『進取の気性』を掲げる非財閥系海運大手。次世代燃料船や洋上風力支援で新たな海運業の形を模索」
ひとめ診断
この会社ってなに?
川崎汽船は日本郵船・商船三井と並ぶ国内海運大手3社の一角です。直近の業績予想では、売上高1兆60億円、経常利益1,000億円を見込んでおり、強固なコンテナ船事業(ONE)の基盤に加え、自動車船事業の好調が業績を牽引しています。さらに、株主還元総額の下限を引き上げ、大幅な増配を発表するなど、投資家を意識した資本政策も高く評価されています。
サービスの実績は?
株価チャート
1,571.5円
2,660.5円
儲かってるの?
川崎汽船は、海運市況の変動を大きく受ける事業構造であり、第3四半期連結累計期間において売上高は約7,677億円を計上しました。主力の定期船事業や不定期専用船事業における市況の影響により、営業利益は前年同期比25.5%減の約687億円に留まっています。今後も環境対応投資や次世代燃料船への転換を進め、収益基盤の多角化による業績の安定化を目指しています。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2024/3 | 6.4% | 5.0% | 8.8% |
| FY2025/3 | 18.2% | 13.8% | 9.8% |
同社は効率的な船隊運営を通じて収益性確保に努めていますが、市況変動の影響が避けられないため、利益率は海運市況に直結する傾向があります。自己資本利益率(ROE)等の指標は、大規模な投資や市況による利益の振幅により年ごとに大きく変動する特性を持っています。現在は中期経営計画に基づき、ポートフォリオの最適化を進めることで利益率の改善を図っています。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 利回り | 配当性向 |
|---|---|---|---|
| FY2024/3 | 250円 | 11.65% | 172.1% |
| FY2025/3 | 100円 | 4.66% | 21.7% |
川崎汽船は、株主還元を重要な経営課題と位置づけ、配当による直接的な利益還元を強化しています。今期は年間配当を120円とするなど、中期経営計画における資本政策に基づいた積極的な還元姿勢を示しています。業績連動型の配当方針を採用しており、持続的な成長投資と両立させながら、株主に対する利益配分を継続的に行う方針です。
割安?割高?
同じ業界の平均と比べると…
PER=株価が利益の何年分か(低いほど割安)/ PBR=株価が資産の何倍か(1倍未満は割安)
財務は安全?
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2024/3 | 203095 | -66911 | -223727 | 136184 |
| FY2025/3 | 273173 | -126133 | -211646 | 147040 |
営業キャッシュフローは、保有する船舶の運航利益を主な原資として安定的な流入が見込まれます。得られた営業CFを環境対応型船舶への更新や新規事業への投資へ優先的に配分し、将来の成長とリスク分散を図っています。加えて、財務キャッシュフローを通じて株主還元や債務の適正化を行い、バランスの取れた資金管理を徹底しています。
もし昔100万円買ってたら?
海運株特有の激しいボラティリティを持ちますが、コロナ禍以降の物流逼迫による記録的な利益と、それに伴う大幅な株主還元により、底値から10倍近いリターンを達成しています。
会社の計画は順調?
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025年3月期 第3四半期 | 1兆1000億円 | 1兆60億円 | 1兆60億円 | -8.5% |
| 2024年3月期 通期 | 9000億円 | 9400億円 | 9480億円 | +5.3% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025年3月期 第3四半期 | 1200億円 | 1000億円 | 1000億円 | -16.7% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2024年3月期 通期 | 1200億円 | 1350億円 | 1454億円 | +21.2% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
中期経営計画ではROE 10%以上、ROIC 6.0〜7.0%という資本効率を重視した目標を掲げています。コンテナ船市況の正常化により利益水準はピークアウトしましたが、自営事業の改善や積極的な追加還元(1株120円への増配)を実施し、投資家の期待に応える運営が評価されています。
社長はどんな報酬?
役員報酬は業績連動指標を導入しており、企業価値の向上と株主還元を重視した報酬体系に改定されています。従業員平均年収は海運大手として非常に高く、役員との報酬倍率も業界平均の範囲内に収まっており、適正な分配が行われています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| FY2022/3 | 990万円 | 794人 | +9.1% |
| FY2023/3 | 1328万円 | 804人 | +34.1% |
| FY2024/3 | 1394万円 | 847人 | +5.0% |
| FY2025/3 | 1222万円 | 900人 | -12.3% |
平均年収1,222万円は海運業界の高水準。FY2023-FY2024は業績連動賞与の膨張で1,300万円超に達したが、FY2025はコンテナ運賃正常化に伴い減少。単体従業員900名と3社で最小規模ながら、1人当たり純利益は3億円超(FY2025/3)と極めて高い生産性を誇る。
メディアでどれくらい注目されてる?
どんな話題が多い?
最近の出来事
洋上風力発電支援強化のため、SNマリンへの出資を実施しオフショア支援事業を拡充。
第3四半期累計期間にて売上高7,677億円を達成し、中期経営計画の進捗を報告。
事業効率化に向けた簡易吸収分割を実施し、グループ体制の最適化を推進。
株の売買状況と今後の予定
同業他社と比較して高い配当利回りと割安なPER水準が特徴です。信用倍率は2.38倍と需給動向は比較的落ち着いており、PBR1倍割れの解消に向けたさらなる資本政策が注目されています。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|
法人税等の支払額は、連結決算における税引前当期純利益の変動に伴い、その金額が年ごとに大きく変化する傾向があります。海運業界特有の業績変動が税負担にも影響を及ぼしており、税引前利益が拡大する期には相応の納税が発生します。なお、国別の税率や各国の租税条約、繰延税金資産の取り扱いによっても実効税率が変動する場合があります。
誰がこの会社の株を持ってる?
最大の特徴は米アクティビスト・エリオットの関連ファンドが筆頭株主(約15%)であること。2023年頃から大量保有が判明し、株主還元強化の要求が経営に影響。中計の株主還元7,000億円以上はエリオットの圧力も背景にある。海運3社で唯一、特定のアクティビスト投資家が筆頭株主という異色の構成。
会社の公式開示情報
EDINET開示情報では、コンテナ船、不定期専用船、物流などの各セグメントが収益の柱となっています。地政学リスクや燃料価格の変動が収益に直結するビジネスモデルであり、開示資料ではそれらのリスク管理と、脱炭素社会に向けた環境対応船への積極投資が重要項目として詳述されています。
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川崎汽船 まとめ
「『進取の気性』を掲げる非財閥系海運大手。次世代燃料船や洋上風力支援で新たな海運業の形を模索」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
最終更新: 2026年3月3日 06:00 JST / データ提供: OSHIKABU