三菱地所
Mitsubishi Estate Company,Limited
「丸の内の大家から脱却し、スタートアップ協業とアセットライト化でROE向上を狙う総合デベロッパー」
ひとめ診断
この会社ってなに?
三菱地所は丸の内エリアに強固な収益基盤を持つ国内屈指の総合不動産デベロッパーです。2026年3月期第3四半期累計で売上高1兆2100億円、通期では好調なオフィス市況や賃料上昇を背景に最高益更新を見込んでいます。現在の株価は4,926円と上場来高値圏にあり、長期経営計画2030の達成に向けてスマートホーム事業の展開やスタートアップ投資など、新たな事業ドメインの開拓と資本効率の改善を推進しています。
サービスの実績は?
株価チャート
2,144円
5,407円
儲かってるの?
三菱地所の業績は、主力である丸の内エリアのオフィスビル賃貸事業が盤石な収益基盤となっており、安定的な成長を続けています。2026年3月期第3四半期累計では、経常利益が前年同期比13.9%増の約1,899億円に達し、通期でも最高益更新を見込む好調な推移です。今後は長期経営計画『2030』に基づき、売却益の拡大と資産回転率の向上により、さらなる利益成長を目指しています。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2024/3 | 6.4% | 2.2% | 18.5% |
| FY2025/3 | 6.9% | 2.4% | 19.6% |
収益性については、国内外での不動産開発や売却事業の好調さが利益率を押し上げる要因となっています。ROE(自己資本利益率)の改善を経営課題に掲げ、資産効率を意識した経営を行うことで、不動産業界の中でも競争力を維持しています。今後は、更なるポートフォリオの最適化を進めることで、資本コストを上回る効率的な利益創出が見込まれます。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 利回り | 配当性向 |
|---|---|---|---|
| FY2024/3 | 38円 | 2.1% | 30.5% |
| FY2025/3 | 42円 | 1.8% | 31.2% |
| FY2026/3 | 46円 | 0.93% | 30.8% |
三菱地所は株主還元を重視しており、毎期+3円の増配を行う累進配当方針を2030年度まで掲げています。この方針により、業績に関わらず着実に配当額を積み上げる姿勢を明確に示しています。安定的なインカムゲインを求める投資家にとって、予測可能性の高い配当政策は同社の大きな魅力の一つです。
割安?割高?
同じ業界の平均と比べると…
PER=株価が利益の何年分か(低いほど割安)/ PBR=株価が資産の何倍か(1倍未満は割安)
財務は安全?
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2022/3 | 207414 | -297303 | 50425 | -89889 |
| FY2023/3 | 280090 | -313778 | 90973 | -33688 |
| FY2024/3 | 269914 | -312046 | 30457 | -42132 |
| FY2025/3 | 307249 | -362017 | 100433 | -54768 |
| FY2026/3 | 324116 | -361505 | 12871 | -37389 |
営業キャッシュフローは堅調に増加しており、丸の内エリア等の賃貸事業から安定したキャッシュを生み出していることが分かります。一方で、投資キャッシュフローはマイナスが継続していますが、これは将来の収益源となる物件開発や再開発プロジェクトへの積極的な投資を行っているためです。結果としてフリーキャッシュフローはマイナス圏で推移していますが、これは成長のための必要な先行投資と位置付けられます。
株主にどれだけ報いた?
※ 基準時点を100%として、配当込みの株主総利回りを比較
過去5年間のTSR(株主総利回り)は、前期が183.7%(対TOPIX 216.8%)、当期が164.3%(対TOPIX 213.4%)と、一貫してTOPIXをアンダーパフォームしています。これは、安定的なオフィス賃貸事業が金利上昇局面においてはバリュエーション低下の懸念材料とみなされやすかったことが主な要因です。しかし、直近では賃料の底打ち反転や積極的な資本政策が評価され株価は急騰しており、中長期的なアウトパフォームへの転換点が近づいていると評価できます。
もし昔100万円買ってたら?
日本の不動産市場を牽引する銘柄として長期的に企業価値を向上させてきました。特に直近1年間は、インフレに伴う不動産価格の上昇期待と、東証のPBR1倍割れ改善要請を受けた自社株買い・増配の強化が好感され、株価は上場来高値圏である5,000円前後に達するなど、過去1年でほぼ倍増する極めて高いリターンを記録しています。
会社の計画は順調?
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2023 | 230,000百万円 | 235,000百万円 | 239,500百万円 | +4.1% |
| FY2024 | 245,000百万円 | 250,000百万円 | 258,000百万円 | +5.3% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2023 | 1,300,000百万円 | 1,320,000百万円 | 1,332,000百万円 | +2.5% |
| FY2024 | 1,400,000百万円 | 1,380,000百万円 | 1,379,000百万円 | -1.5% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
長期経営計画2030において、事業利益3,500〜4,000億円、ROE10%を掲げています。足元のオフィス市況の好転や賃料上昇により利益水準は過去最高を更新する見通しですが、資本効率の観点では目標に到達しておらず、持続的な自社株買いや非中核資産の売却による資産回転率の向上が今後の重要なカタリストとなります。
社長はどんな報酬?
三菱地所の役員報酬総額は3名で3億2,700万円ですが、これは社外取締役等を含む枠組みであり、個別の代表報酬は過度な高額報酬を避ける保守的かつ透明性の高い水準に抑えられています。業界平均に比べると経営陣の報酬倍率は極めて低く、株主価値の共有を重視した制度設計となっています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| FY2022/3 | 1230万円 | 1150人 | +2.5% |
| FY2023/3 | 1273万円 | 1184人 | +3.5% |
| FY2024/3 | 1273万円 | 1184人 | +0.0% |
| FY2025/3 | 1348万円 | 1242人 | +5.9% |
平均年収は1,348万円で不動産業界トップクラス。FY2025は前年比+5.9%と大幅な昇給を実施しました。従業員数は約1,242名と少数精鋭で、1人当たりの収益貢献度が極めて高い企業体質です。平均年齢40.5歳、平均勤続13年9ヶ月。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は7.7%と向上途上の段階にあり、さらなる多様性の確保が課題です。344社の連結子会社を抱える巨大企業体として、監査報酬に3億9,900万円を投じるなど、グループ全体のガバナンスとコンプライアンス体制の強化に多額のコストを配分しています。
メディアでどれくらい注目されてる?
どんな話題が多い?
最近の出来事
2026年3月期第3四半期決算にて経常利益が前年同期比13.9%増の1899億円となり、3期ぶりの最高益更新を達成しました。
スマートホームサービス「HOMETACT」の新機能としてHOMETACT Energy Windowの提供を開始し、DX戦略を加速させています。
自動運転技術を持つT2との資本業務提携を発表し、次世代のまちづくりに向けた技術連携を強化しました。
株の売買状況と今後の予定
時価総額約6兆円を誇る業界のガリバーであり、PERは14.9倍と市場平均並みですが、PBRは2.32倍と不動産業界の平均(約1.2倍)を大きく上回る高い評価を得ています。これは丸の内エリアの含み益が莫大であることと、足元の積極的な株主還元策が投資家の強い支持を集めているためです。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2022/3 | 164000百万円 | 55000百万円 | 33.5% |
| FY2023/3 | 210000百万円 | 68000百万円 | 32.4% |
| FY2024/3 | 220000百万円 | 70000百万円 | 31.8% |
| FY2025/3 | 240000百万円 | 75000百万円 | 31.3% |
| FY2026/3 | 260000百万円 | 80000百万円 | 30.8% |
法人税等の支払いは、税引前利益の伸びに応じて一定の割合で増加しており、安定した納税実績を残しています。実効税率は概ね30%台前半で推移しており、国内の一般的な法人税負担水準と整合的です。特別利益や特別損失の発生状況により若干の変動はありますが、概ね事業規模に応じた適切な税務処理が行われています。
誰がこの会社の株を持ってる?
日本マスタートラスト信託銀行が16%で筆頭株主の機関投資家中心の株主構成。外国法人等が約48%と高い比率を占めており、グローバル不動産企業としての評価の高さを反映しています。明治安田生命が3.4%を保有し、三菱グループとの歴史的な資本関係が残っています。株主数は約7.6万名。
会社の公式開示情報
役員報酬
EDINET開示情報によると、オフィスビル事業を主軸としつつ、商業施設や住宅開発など多角的なポートフォリオを構築しています。344社に及ぶ連結子会社を抱え、都市開発からスマートホームサービスに至るまでの広範な事業リスクを分散・管理している点が特徴です。
最新ニュース
リスク要因
- [object Object]
ニュース一覧
関連リンク
三菱地所 まとめ
「丸の内の大家から脱却し、スタートアップ協業とアセットライト化でROE向上を狙う総合デベロッパー」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
最終更新: 2026年3月3日 06:00 JST / データ提供: OSHIKABU