ルネサスエレクトロニクス
RENESAS ELECTRONICS CORPORATION
「車載マイコンの世界王者から、M&Aを駆使してソフトウェア・プラットフォーム企業へ変貌を遂げる半導体大手」
ひとめ診断
この会社ってなに?
ルネサスエレクトロニクスは、車載用マイコンで世界トップクラスのシェアを誇る半導体メーカーです。近年は米Altiumの買収などに代表される積極的なM&Aを通じて、ハードウェア単体の販売からソフトウェアを含むソリューション提供への転換を図っています。直近のFY2024は半導体市況の調整を受け、売上高13,484.8億円、営業利益2,229.77億円と減収減益となりましたが、事業ポートフォリオの入れ替え(タイミングデバイス事業の4,700億円での売却など)を進め、次なる成長フェーズへの準備を進めています。
サービスの実績は?
株価チャート
1,320円
3,138円
儲かってるの?
ルネサスエレクトロニクスの業績は、FY2023/12からFY2024/12にかけて売上高が約1兆3,485億円へと減収となりました。純利益も約2,191億円と前年比で大きく減少しており、半導体市場の需要調整局面の影響を受けた形です。足元では成長目標の達成時期を見直すなど、慎重な経営姿勢を示しています。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2023/12 | 16.8% | 10.6% | 26.6% |
| FY2024/12 | 8.6% | 4.9% | 16.5% |
収益性に関しては、FY2024/12の売上高営業利益率が16.5%へと低下し、ROEも8.6%に留まりました。前期の営業利益率26.6%と比較すると、コスト増や市況環境の悪化が収益を圧迫していることが分かります。高付加価値製品へのシフトを進める中で、収益力の安定化が今後の鍵となります。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 利回り | 配当性向 |
|---|---|---|---|
| FY2023/12 | 28円 | 1.07% | 14.8% |
| FY2024/12 | 28円 | 1.07% | 22.9% |
同社は成長投資を最優先する方針であり、配当金はFY2023/12からFY2024/12まで年間28円の横ばいで安定配当を維持しています。配当性向は22.9%まで上昇しましたが、依然として利益の多くを将来の成長に向けた再投資に充てる考えです。株主還元については、業績拡大に伴う中長期的な拡充が期待されます。
割安?割高?
同じ業界の平均と比べると…
PER=株価が利益の何年分か(低いほど割安)/ PBR=株価が資産の何倍か(1倍未満は割安)
財務は安全?
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2023/12 | 496627 | -267492 | -181247 | 229135 |
| FY2024/12 | 340484 | -1284105 | 677345 | -943621 |
FY2024/12の投資キャッシュフローは、買収に伴う支出増により約1兆2,841億円の大きなマイナスとなりました。営業活動で約3,405億円の資金を生み出したものの、大型買収を財務活動による調達で補う構造となっています。一時的にフリーキャッシュフローは大幅なマイナスとなりましたが、これは成長に向けた積極的な投資の結果です。
もし昔100万円買ってたら?
2012年の経営危機の際につけた上場来安値(198円)から投資していれば、資産は13倍以上に膨らんでいます。大規模なリストラと工場再編、その後の車載半導体需要の爆発的な拡大により、見事なV字回復を遂げました。直近1年間でも、半導体サイクルの底打ち期待から株価は堅調に推移しています。
会社の計画は順調?
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2023 | 14,500億円 | — | 14,694.1億円 | +1.3% |
| FY2024 | 14,000億円 | — | 13,484.8億円 | -3.7% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2023 | 3,800億円 | — | 3,907.66億円 | +2.8% |
| FY2024 | 2,500億円 | — | 2,229.77億円 | -10.8% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
ルネサスエレクトロニクスは、当初2030年に売上高200億ドル超、時価総額6倍を目指す野心的な長期目標を掲げていましたが、電気自動車(EV)市場の成長鈍化や半導体市況の調整を受け、達成時期を2035年へと5年間先送りしました。足元のFY2024決算でも減収減益となっており、今後は積極的なM&A(米Altium買収など)によるソフトウェア・プラットフォーム事業への事業構造転換が、目標達成に向けた鍵となります。
社長はどんな報酬?
CEOの報酬は株式報酬制度などの長期インセンティブに重きを置いており、現金報酬比率が抑制されているため、従業員平均との報酬倍率は極めて低く見える特殊な構造です。一般的な日本企業で見られるような高額な役員報酬との格差とは異なり、長期的な企業価値向上と株主価値の共有を優先する設計となっています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| FY2021/12 | 882万円 | 6116人 | +1.5% |
| FY2022/12 | 874万円 | 6133人 | -0.9% |
| FY2023/12 | 889万円 | 6296人 | +1.7% |
| FY2024/12 | 809万円 | 6482人 | -9.0% |
FY2024/12に平均年収が809万円に低下したのは、業績連動賞与の減少が主因。平均年齢48.5歳と高めなのは旧日立・三菱電機・NECからの転籍社員が中核を占めるため。単体約6,500名、連結では約2万名のグローバル半導体企業。
メディアでどれくらい注目されてる?
どんな話題が多い?
最近の出来事
長期目標の5年先送りを発表し、EV市場の成長鈍化の影響が鮮明となった。
米Altiumと共同で「Renesas 365」を発表し、ソフトウェア定義型製品開発を加速。
タイミングデバイス事業を米SiTimeへ4700億円で売却する戦略的再編を実施。
株の売買状況と今後の予定
時価総額は約4.9兆円に達し、国内半導体セクターの中核銘柄として位置づけられています。バリュエーション面ではPER21.4倍、PBR1.85倍と、国内外の半導体メーカーと比較してやや割安な水準にあります。信用倍率が7倍台と買い残が積み上がっており、短期的な需給の重しになる可能性がある点には注意が必要です。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2023/12 | 390766百万円 | 53680百万円 | 13.7% |
| FY2024/12 | 222977百万円 | 3893百万円 | 1.7% |
FY2023/12は営業利益に対して実効税率13.7%と低めですが、これはIFRS適用企業特有の繰延税金資産の影響です。FY2024/12は実効税率1.7%とさらに低下しており、大規模な買収に伴うのれん償却や繰延税金資産の計上が影響しています。半導体業界は研究開発投資が大きく、各種税額控除の恩恵を受けやすい構造となっています。
誰がこの会社の株を持ってる?
旧日立・三菱電機・NECの半導体事業統合で誕生した経緯から、トヨタ自動車(4.14%)が戦略的株主として残る。かつて筆頭株主だった産業革新機構(INCJ)は全株売却済み。外国人株主比率は約41%で、グローバル半導体企業としての評価を反映。
会社の公式開示情報
車載半導体や産業用マイコンを主力とするセグメント構成であり、自動車の電動化や自動運転化、IoT化による需要増を主要な収益機会としています。一方で、地政学リスクや半導体市況のサイクルの激しさがリスク要因として開示されており、M&Aによる技術取得を積極的に進める経営戦略が特徴です。
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ルネサスエレクトロニクス まとめ
「車載マイコンの世界王者から、M&Aを駆使してソフトウェア・プラットフォーム企業へ変貌を遂げる半導体大手」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
最終更新: 2026年3月3日 06:00 JST / データ提供: OSHIKABU