NEC
NEC CORPORATION
「長年の構造改革を経て高収益化へ、4400億円の海外大型買収でグローバル通信市場を取りに行くITガリバー」
ひとめ診断
この会社ってなに?
日本の代表的ITベンダーであるNECは、長年の不採算事業の整理と構造改革を経て利益体質へと完全に転換しました。直近のFY2025では売上高3兆4234億円、営業利益2564億円を記録し、利益水準は過去最高圏で推移しています。新たに米CSG社を約4400億円で買収し、グローバルでの通信・ソフトウェア事業の拡大に大きく舵を切っており、今後の海外成長が投資家の注目を集めています。
サービスの実績は?
株価チャート
2,660.5円
6,194円
儲かってるの?
NECの業績は、ITサービス事業の堅調な推移により2025年3月期には営業利益が約2,565億円と大幅な増益を達成しました。売上収益は3兆4,234億円と前期比で微減しましたが、収益性の高いソフトウェア・サービス事業への転換が進んだことが利益押し上げに寄与しています。2026年3月期は、米国のソフトウエア関連企業であるCSGシステムズ・インターナショナルの買収費用や投資が先行するため、さらなる構造改革と持続的な成長に向けた基盤構築のフェーズにあります。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2024/3 | 7.2% | 3.5% | 5.4% |
| FY2025/3 | 8.5% | 4.1% | 7.5% |
収益性の指標であるROEは、2024年3月期の7.2%から2025年3月期には8.5%へ向上しており、経営効率の改善が進んでいます。営業利益率も同期間で5.4%から7.5%へと伸長しており、低収益事業の整理や、高付加価値なITソリューションへの注力による利益体質への転換が実を結んでいます。今後はグローバルなソフトウェア事業の拡大を通じ、さらなる収益性の向上と安定した利益創出が期待されます。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 利回り | 配当性向 |
|---|---|---|---|
| FY2024/3 | 120円 | 2.86% | 21.4% |
| FY2025/3 | 140円 | 3.33% | 106.5% |
NECは、安定的な配当の継続を基本方針としつつ、業績連動型の還元を強化することで株主への利益還元を積極的に行っています。2025年3月期は1株あたり140円へ増配を行いましたが、配当性向が一時的に100%を超えたのは特別利益等の影響によるものです。今後は持続的な利益成長を実現することで、長期的な配当水準の向上を目指す方針です。
割安?割高?
同じ業界の平均と比べると…
PER=株価が利益の何年分か(低いほど割安)/ PBR=株価が資産の何倍か(1倍未満は割安)
財務は安全?
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2024/3 | 271228 | -76015 | -155508 | 195213 |
| FY2025/3 | 344408 | -131164 | -103974 | 213244 |
営業活動によるキャッシュフローは、2025年3月期に約3,444億円を創出するなど、本業による稼ぐ力が着実に向上しています。投資活動では事業成長のためのM&Aや設備投資を積極的に行っていますが、それらを上回る営業キャッシュフローがあるため、フリーキャッシュフローは2,132億円と高水準を維持しました。この潤沢な資金力を原資として、株主還元と将来の成長投資のバランスを最適化する経営が実践されています。
もし昔100万円買ってたら?
長らく低迷していた株価は、構造改革の成果が表れた近年で急回復しており、10年前からの長期保有であればテンバガー(10倍株)以上を達成しています。特に直近数年は高収益ITサービスへのシフトが評価され、堅調な上昇トレンドを描いています。
会社の計画は順調?
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2023 | 31,300億円 | 32,500億円 | 33,130億円 | +5.8% |
| FY2024 | 33,800億円 | 34,000億円 | 34,772億円 | +2.8% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2023 | 1,850億円 | 2,000億円 | 2,055億円 | +11.0% |
| FY2024 | 2,200億円 | 1,950億円 | 1,880億円 | -14.5% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
2025中期経営計画では、調整後営業利益3,000億円の達成を掲げています。直近のFY2025実績では2,564億円と過去最高水準を記録しており、利益体質への転換は明確に進んでいますが、目標達成には国内ITサービスの底堅い成長に加え、買収した海外事業の早期シナジー創出が不可欠です。
社長はどんな報酬?
代表者の報酬は、中期経営計画の目標達成度や業績に強く連動する株式報酬制度を導入しており、従業員との報酬倍率は業界平均より高めです。これは、グローバルな経営体制へのシフトを促進するため、経営責任の重さと報酬の整合性を高めた結果といえます。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| FY2022/3 | 814万円 | 21350人 | +2.1% |
| FY2023/3 | 843万円 | 21550人 | +3.6% |
| FY2024/3 | 880万円 | 22000人 | +4.4% |
| FY2025/3 | 963万円 | 22271人 | +9.4% |
平均年収はFY2022の814万円からFY2025の963万円へと4年間で約150万円上昇。特にFY2025は前年比+9.4%と大幅な昇給を実施し、日立・富士通を上回る水準に。ジョブ型人事制度への移行とAI人材の獲得競争が背景にあり、平均年齢は42.6歳と若返りも進んでいます。
メディアでどれくらい注目されてる?
どんな話題が多い?
最近の出来事
米国の通信ソフト企業CSG Systemsを4400億円で買収することを発表し、グローバルでの事業拡大を加速。
製造業のサプライチェーン最適化に向け、自律的に条件交渉を行う「調達交渉AIエージェント」サービスをローンチ。
第3四半期累計の連結最終利益が前年同期比98.8%増の1422.78億円に達し、過去最高益を更新。
株の売買状況と今後の予定
株価の継続的な上昇により、PERは31.9倍、PBRは2.87倍と電機業界の平均を大きく上回る水準まで評価が切り上がっています。信用倍率が31倍と買い長の状態にあるため、短期的な需給の重さには注意が必要です。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2024/3 | 218556百万円 | 65123百万円 | 29.8% |
| FY2025/3 | 255268百万円 | 76580百万円 | 30.0% |
法人税等の支払額は、業績の好調さに伴い、2025年3月期は約766億円となりました。実効税率は30%前後で安定しており、連結納税制度やグローバルな税務戦略に基づき適切に算出されています。税引前利益の変動に比例した納税を行うことで、地域社会への貢献と企業としての社会的責任を果たしています。
誰がこの会社の株を持ってる?
日本マスタートラスト信託銀行が筆頭株主で16.4%を保有する機関投資家中心の株主構成です。NTTが約5%を保有しており、通信インフラでの長年の協力関係を反映しています。外国人投資家比率も高く、AI・DXへの成長期待がグローバルに評価されています。
会社の公式開示情報
EDINET開示情報によると、NECはITサービスを核とした事業ポートフォリオへの転換を完了しており、海外ソフトウェア事業の強化に向けた積極的な買収(CSG社等)が成長の柱となっています。地政学リスクや為替変動を主要なリスク要因としつつも、安定した収益基盤の構築に成功しています。
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NEC まとめ
「長年の構造改革を経て高収益化へ、4400億円の海外大型買収でグローバル通信市場を取りに行くITガリバー」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
最終更新: 2026年3月3日 06:00 JST / データ提供: OSHIKABU