日本製鉄
NIPPON STEEL CORPORATION
「脱炭素と地政学リスクを乗り越え、USスチール買収で『世界1億トン・利益1兆円』へ邁進する日本の鉄鋼王者」
ひとめ診断
この会社ってなに?
FY2025の売上高は8兆6,955億円、営業利益は5,479億円と強固な収益基盤を堅持しています。2025年6月には約2兆円(142億ドル)を投じた米USスチールの買収を完了し、北米市場への本格展開と規模の経済を確保しました。今後は「2030中長期経営計画」に基づき、5年間で6兆円の成長・脱炭素投資を実行し、構造改革を進めながら連結実力利益1兆円を目指す変革の只中にあります。
サービスの実績は?
株価チャート
530円
704.4円
儲かってるの?
2024年3月期の純利益約5,494億円から、2025年3月期には約3,502億円へと減益基調で推移しています。さらに2026年3月期予想では、米USスチール買収に伴う事業売却損等の影響により約600億円の最終赤字を見込んでいます。ただし売上高は10兆円規模の成長を目指しており、大型買収を機とした中長期的な構造転換の途上にあります。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2024/3 | 10.3% | 5.1% | 8.8% |
| FY2025/3 | 5.9% | 3.2% | 6.3% |
収益性指標は、ROEが前期の10.3%から5.9%へ、営業利益率も8.8%から6.3%へと低下傾向にあります。これは大型買収や構造改革に伴う一時的な費用負担が先行していることが主な要因です。今後は買収した資産の統合効果やグローバル生産体制の最適化を通じて、実力利益の向上と収益性の再改善が図られる見通しです。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 利回り | 配当性向 |
|---|---|---|---|
| FY2024/3 | 32円 | 5.30% | 26.8% |
| FY2025/3 | 32円 | 5.30% | 45.6% |
株主還元については、配当性向30%程度を目安としつつ、下限配当(年間24円/株)を導入した安定的な方針を掲げています。現在は業績変動の影響で配当性向が一時的に上昇していますが、利益成長に伴う株主への還元強化を長期的な目標としています。株主優待として、抽選による工場見学会への招待等を実施しています。
割安?割高?
同じ業界の平均と比べると…
PER=株価が利益の何年分か(低いほど割安)/ PBR=株価が資産の何倍か(1倍未満は割安)
財務は安全?
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2024/3 | 1010159 | -710654 | -543945 | 299505 |
| FY2025/3 | 978593 | -462428 | -313334 | 516165 |
営業キャッシュフローは1兆円前後の高水準を維持しており、本業による安定した収益獲得能力が示されています。投資キャッシュフローは大型買収や設備投資に伴い流出が続いていますが、フリーキャッシュフローは2025年3月期に約5,162億円へと増加しました。構造改革による経営効率化と投資の適正化が、潤沢なキャッシュ創出に寄与しています。
株主にどれだけ報いた?
※ 基準時点を100%として、配当込みの株主総利回りを比較
FY2021からFY2025にかけて、自社TSRは一貫してTOPIXを大幅にアウトパフォームしています(FY2025: 自社TSR 417.7% vs TOPIX 213.4%)。これは、紐付き価格の是正によるマージン改善や、USスチール買収によるグローバル戦略の明確化など、経営陣の強力なコミットメントと構造改革が株式市場から高く評価された結果です。
もし昔100万円買ってたら?
鉄鋼業界特有の市況変動により株価のサイクルは大きいものの、マージン改善や海外M&Aといった構造改革が好感された局面では力強いリターンを生んでいます。直近では大型買収に伴う財務負担懸念等で上値が重い展開も見られます。
会社の計画は順調?
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024 | 88,000億円 | 88,500億円 | 88,681.0億円 | +0.7% |
| FY2025 | 88,000億円 | 87,000億円 | 86,955.3億円 | -1.1% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024 | 8,000億円 | 7,800億円 | 7,786.6億円 | -2.6% |
| FY2025 | 6,500億円 | 5,500億円 | 5,479.6億円 | -15.7% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
「2030中長期経営計画」では、USスチールの買収完了に伴い、グローバルでの粗鋼生産能力1億トンの実現と、5年間で6兆円に及ぶ巨額投資を掲げています。構造改革や政策保有株の売却を通じた資金捻出によって資本効率を改善しつつ、脱炭素化の波を成長機会へと変える道筋を明確に示しています。
社長はどんな報酬?
代表取締役の役員報酬は、大規模なグローバル買収や経営改革の成果を考慮した水準となっています。国内の製造業平均と比較して報酬倍率はやや高めですが、売上高数兆円規模のグローバル企業を牽引する責任の大きさを反映しており、経営陣の報酬方針は取締役会直下の会議体を通じて透明性が担保されています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| FY2022/3 | 774万円 | 28926人 | +3.5% |
| FY2023/3 | 807万円 | 28714人 | +4.3% |
| FY2024/3 | 829万円 | 29084人 | +2.7% |
| FY2025/3 | 905万円 | 29200人 | +9.2% |
平均年収905万円は鉄鋼業界トップクラス。FY2025/3は前年比+76万円(+9.2%)と大幅に上昇し、ベースアップと業績連動賞与が寄与。単体約2.9万名、連結では約11.4万名の大組織。平均年齢40.5歳、平均勤続年数18.2年と重厚長大産業らしい安定雇用です。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率20%を達成しており、経営の多様性確保に向けた取り組みが進行中です。監査等委員会設置会社として監視機能を強化しており、USスチール買収という巨額投資を含む経営判断に対し、強固なガバナンス体制と監査報酬(約11.7億円)を通じた適正なチェックが働いています。
メディアでどれくらい注目されてる?
どんな話題が多い?
最近の出来事
U.S.Steelの買収が正式に完了し、グローバル生産能力1億トン体制の構築へ舵を切る。
2030中長期経営計画を公表し、5年間で6兆円規模の成長投資を宣言した。
構造改革や設備トラブルの影響により、FY2025期の最終利益が3502.27億円となる下方修正を発表。
株の売買状況と今後の予定
PER1.7倍、PBR0.12倍という水準は、鉄鋼業界の平均と比較しても極めて割安に放置されていることを示唆しています。USスチール買収による成長期待の一方で、今後の投資負担や市況悪化リスクが株価のディスカウント要因として意識されている状態です。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2024/3 | 778662百万円 | 210239百万円 | 27.0% |
| FY2025/3 | 547960百万円 | 164388百万円 | 30.0% |
| FY2026/3 予 | -60000百万円 | 0百万円 | 0.0% |
法人税等の支払額は、税引前利益の変動に伴い連動しています。2024年3月期は約2,102億円、2025年3月期は約1,644億円の納税額となりました。2026年3月期は業績予想が赤字であるため、法人税等の支払いは発生しない見込みです。
誰がこの会社の株を持ってる?
信託銀行経由の機関投資家が中心の株主構成。外国人持株比率は約24%でグローバル機関投資家の存在感が大きい。特定の親会社やオーナーは存在せず、プロ経営者による独立経営。従業員持株会(1.3%)も安定株主として機能。USスチール買収で海外投資家の注目度がさらに上昇。
会社の公式開示情報
役員報酬
EDINET開示情報では、製鉄事業を主軸としつつ、エンジニアリングや化学などの多角的なポートフォリオが確認されます。特に米USスチールの買収完了に伴うグローバル粗鋼生産能力1億トンの獲得が最大の事業戦略となっており、脱炭素投資や構造改革に伴う一時的なコスト発生が、短期的にはリスク要因として慎重に管理されている状況です。
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最終更新: 2026年3月3日 06:00 JST / データ提供: OSHIKABU