ENEOSホールディングス
ENEOS Holdings, Inc.
「脱炭素への移行期を現実的なエネルギーミックスと累進配当で乗り切る、国内最大の総合エネルギー企業」
ひとめ診断
この会社ってなに?
ENEOSホールディングスは、国内シェア約5割を握る石油元売りの最大手です。足元では在庫影響を除いた実質営業利益で4,200億円を見込むなど、強固な事業基盤を背景に手堅い収益を維持しています。従来の脱炭素偏重からLNG等への現実的な戦略シフトを図るとともに、下限30円の累進配当や子会社JX金属の上場を通じた資本効率の改善が、投資家から高く評価されています。
サービスの実績は?
株価チャート
590円
1,552.5円
儲かってるの?
ENEOSホールディングスは、原油価格の変動や為替の影響を受けやすいエネルギー事業を中核としており、在庫影響を除いた実力値での利益確保を経営の重要課題としています。直近では再生可能エネルギーなどの成長分野への投資を進める一方で、不採算事業の整理や資産効率の改善に注力しています。厳しい市場環境下においても、石油製品の安定供給という社会的使命を果たしつつ、持続的な収益基盤の再構築を目指している点が特徴です。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2024/3 | 7.8% | 2.8% | 3.4% |
| FY2025/3 | 6.5% | 2.6% | 0.9% |
収益性については、エネルギー市況の変動が激しい中でROIC(投下資本利益率)やROE(自己資本利益率)の向上を目標に掲げ、資本効率の改善を推進しています。石油精製・販売という装置産業の性質上、大規模な設備投資が必要となりますが、不採算資産の売却や事業ポートフォリオの最適化を通じて、利益率の安定化を図っています。今後はカーボンニュートラル社会に向けた新規事業の創出が、将来的な収益性の向上と中長期的な成長の鍵となります。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 利回り | 配当性向 |
|---|---|---|---|
| FY2025/3 | 22円 | 2.1% | 28.5% |
| FY2026/3 | 34円 | 2.5% | 30.1% |
配当方針として、1株あたり30円を起点とする業績連動型の累進配当を導入し、株主への利益還元を強化しています。これは、業績の変動にかかわらず安定した配当を維持しつつ、成長に応じて増配を目指す株主重視の姿勢を明確に示したものです。優待制度は実施していませんが、配当を通じた直接的な還元を経営の優先事項として位置づけています。
割安?割高?
同じ業界の平均と比べると…
PER=株価が利益の何年分か(低いほど割安)/ PBR=株価が資産の何倍か(1倍未満は割安)
財務は安全?
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2022/3 | 0 | 0 | 0 | 0 |
| FY2023/3 | 0 | 0 | 0 | 0 |
| FY2024/3 | 0 | 0 | 0 | 0 |
| FY2025/3 | 1010283 | -240983 | -331031 | 769300 |
| FY2026/3 | 576835 | 130765 | -630414 | 707600 |
営業キャッシュフローは本業のエネルギー販売で安定的な資金を生み出していますが、市況変動の影響を受けて期ごとに振れ幅が見られます。当期は投資活動がプラスに転じており、これは保有資産の売却や事業再編による資金回収が寄与したものと考えられます。結果として、約7,076億円という潤沢なフリーキャッシュフローを確保し、これを配当や将来の成長投資へ振り向ける安定的な循環を実現しています。
株主にどれだけ報いた?
※ 基準時点を100%として、配当込みの株主総利回りを比較
当期のTSR(株主総利回り)は242.1%となり、TOPIXの213.4%を大幅にアウトパフォームしています。これは、下限30円の累進配当の導入や、子会社であるJX金属のIPO等を通じた明確な資本効率の改善策が市場から好感され、株価が大きく押し上げられたためです。
もし昔100万円買ってたら?
コロナ禍での歴史的な原油安局面(2020年3月)で上場来安値320.1円を記録しましたが、その後の原油価格の回復と積極的な株主還元策(累進配当の導入等)が評価され、株価は大きく反発しています。
会社の計画は順調?
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2023 | 13兆5,000億円 | 13兆億円 | 12兆9,000億円 | -4.4% |
| FY2024 | 13兆2,000億円 | 12兆5,000億円 | 12兆1,000億円 | -9.0% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2023 | 3,400億円 | 4,100億円 | 4,200億円 | +23.5% |
| FY2024 | 4,000億円 | 4,100億円 | 4,200億円 | +5.0% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
原油価格や為替の変動による在庫影響を除いた実質的な営業利益を重視した経営を行っています。旧中計では水素や再エネへの野心的な目標を掲げていましたが、事業環境の変化を踏まえて目標を現実的なLNG等へ修正し、第4次中計ではROE10%・ROIC6%といった資本効率の改善に焦点を当てています。
社長はどんな報酬?
役員報酬総額は3億900万円ですが、これを全取締役(社外取締役含む)で按分すると、代表取締役の報酬は極めて抑制的です。従業員平均給与との倍率は業界平均と比較しても非常に低く、経営陣の報酬が株主や従業員とのバランスを強く意識した設計になっていることが分かります。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| FY2022/3 | 1006万円 | 905人 | +2.8% |
| FY2023/3 | 992万円 | 873人 | -1.4% |
| FY2024/3 | 947万円 | 888人 | -4.5% |
| FY2025/3 | 1068万円 | 1339人 | +12.8% |
HD単体の平均年収は約950〜1,070万円で推移し、FY2025/3は1,068万円と過去最高水準に回復。従業員数は2025/3に大幅増加(グループ再編の影響を含む)。エネルギー業界の中でもトップクラスの給与水準であり、平均年齢44歳は業界平均と同程度。
この会社のガバナンスは?
ENEOSホールディングスは、女性役員比率を40.0%まで高めるなど、多様性の確保とガバナンス強化を積極的に推進しています。強固な監査体制を維持しながら、広大な事業規模に対応した経営監視機能を発揮しており、コーポレートガバナンス・コードへの対応も進んでいます。
メディアでどれくらい注目されてる?
どんな話題が多い?
最近の出来事
第4次中期経営計画を公表し、累進配当の導入と株主還元方針の強化を発表しました。
傘下のJX金属がタツタ電線へのTOBを成立させ、グループの素材事業を強化しました。
2026年3月期通期連結業績予想を上方修正し、在庫影響除きの営業利益を4,200億円と見込みました。
株の売買状況と今後の予定
PERは5.5倍と業界平均を下回る割安な水準に置かれていますが、PBRは1倍を回復しており、資本コストを意識した経営が一定の評価を得ています。高配当銘柄として個人投資家の人気も高く、信用買い残も一定規模存在します。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2025/3 | 382000百万円 | 125000百万円 | 32.7% |
| FY2026/3 | 250000百万円 | 82000百万円 | 32.8% |
法人税等の支払額は、連結税引前利益の変動に比例して推移しており、法的な実効税率に基づいた適正な納税が行われています。当期予想においても、エネルギー事業の収益性に基づき算出された利益見通しに応じて、約820億円規模の法人税負担を見込んでいます。企業活動の規模が極めて大きく、国や地方への税負担を通じた公共的貢献も重要な役割となっています。
誰がこの会社の株を持ってる?
筆頭株主は日本マスタートラスト信託銀行で16.7%を保有。特定のオーナー企業・創業家が支配する構造ではなく、機関投資家中心の分散型株主構成。外国法人が約27%、金融機関が約35%を占め、国際的に注目されている銘柄。個人株主も約34%と多く、配当方針への関心が高い。
会社の公式開示情報
役員報酬
EDINET開示情報によると、同社は石油精製・販売を核としつつ、素材や再生可能エネルギーへの多角化を図る複雑な事業ポートフォリオを有しています。地政学リスクに伴う原油価格変動や為替の動向が直接的な利益に影響を及ぼすため、これら外部要因を事業リスクとして重要視しています。
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リスク要因
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ENEOSホールディングス まとめ
「脱炭素への移行期を現実的なエネルギーミックスと累進配当で乗り切る、国内最大の総合エネルギー企業」
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最終更新: 2026年3月3日 06:00 JST / データ提供: OSHIKABU