富士フイルムHD
FUJIFILM Holdings Corporation
「写真フィルムの祖業から転換し、バイオ・ヘルスケアと半導体材料で成長を牽引する多角化の成功モデル」
ひとめ診断
この会社ってなに?
富士フイルムHDは、従来のフィルム事業からヘルスケアや高機能材料(半導体材料など)の成長領域へ見事な事業ポートフォリオ転換を遂げました。直近のFY2025では売上高3兆1,958億円、営業利益3,301億円と過去最高益水準を記録し、為替の追い風やメディカルシステムの好調が業績を牽引しています。中期経営計画「VISION2030」では、特にバイオCDMO領域への巨額投資を通じて、さらなる収益性と資本効率の向上を目指しています。
サービスの実績は?
株価チャート
2,516円
3,787円
儲かってるの?
富士フイルムHDの業績は堅調に推移しており、FY2025/3の売上高は約3兆1,958億円と成長を続けています。ヘルスケアや高機能材料といった成長分野が牽引し、FY2026/3も売上高3兆2,800億円と過去最高水準を更新する見通しです。為替の影響に加え、各事業ポートフォリオの最適化が進んだことが増収増益の主要因となっています。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2024/3 | 7.7% | 5.1% | 9.3% |
| FY2025/3 | 7.8% | 5.0% | 10.3% |
収益性については、FY2025/3の営業利益率は10.3%へと改善傾向にあります。これは高収益なメディカルシステム事業の拡大が寄与しており、ROE(自己資本利益率)も7.8%と安定した水準を維持しています。今後は事業構造の転換をさらに進め、さらなる資本効率の向上を目指すフェーズにあります。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 利回り | 配当性向 |
|---|---|---|---|
| FY2024/3 | 150円 | 5.01% | 74.2% |
| FY2025/3 | 65円 | 2.17% | 30.0% |
配当政策では中長期的な利益成長に応じた安定的な還元を重視しています。FY2024/3には株式分割の影響等を含め配当水準を調整し、現在は配当性向30%程度を一つの目安としています。成長投資とのバランスを考慮しつつ、株主還元と企業価値の最大化を両立させる方針です。
割安?割高?
同じ業界の平均と比べると…
PER=株価が利益の何年分か(低いほど割安)/ PBR=株価が資産の何倍か(1倍未満は割安)
財務は安全?
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2024/3 | 407941 | -527416 | -462 | -119475 |
| FY2025/3 | 428162 | -541953 | 108883 | -113791 |
営業キャッシュフローは年間で約4,000億円超と潤沢な稼ぐ力を維持しています。一方で、成長分野への積極的な設備投資やM&Aを優先しているため、フリーキャッシュフローは一時的にマイナスとなっています。これは将来の収益基盤を拡大するための意図的な投資支出であり、成長戦略の一環として評価されます。
株主にどれだけ報いた?
※ 基準時点を100%として、配当込みの株主総利回りを比較
富士フイルムHDのTSR(株主総利回り)は、FY2021からFY2025にかけてTOPIXを継続的にアンダーパフォームしています。ヘルスケア事業などの業績は好調に推移しているものの、積極的なM&AやバイオCDMOへの巨額の設備投資に伴う先行負担が嫌気され、短期的な資本効率(ROE等)の低下を懸念した売りが影響していると考えられます。
もし昔100万円買ってたら?
過去10年という長期目線で見れば、祖業からの見事なピボット(事業転換)が評価され株価は大きく上昇しました。しかし、直近1年間では株式分割後の需給要因や半導体市況の不透明感から株価は調整局面にあり、1年前の高値圏で購入した場合はマイナスリターンとなっています。
会社の計画は順調?
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024 | 29,500億円 | — | 29,609億円 | +0.4% |
| FY2025 | 31,000億円 | — | 31,958億円 | +3.1% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024 | 2,900億円 | — | 2,767億円 | -4.6% |
| FY2025 | 3,000億円 | — | 3,301億円 | +10.1% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
中期経営計画「VISION2030」では、2026年度までに売上高3兆4,500億円、営業利益3,600億円という高い目標を掲げています。直近のFY2025実績を見る限り、為替の好影響やヘルスケア事業の伸長により進捗率は90%を超えており、達成の確度は高いと評価できます。今後はバイオCDMOなどへの先行投資がどの程度利益に貢献するかが鍵となります。
社長はどんな報酬?
役員報酬は株主総会の決議に基づく上限内で決定され、業績連動報酬や中長期的な企業価値向上を意識した報酬体系を採用しています。従業員の平均年収と比較しても過度な格差はなく、持続的な成長に向けたガバナンスと公平性が担保された設計となっています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| FY2022/3 | 1006万円 | 838人 | +2.5% |
| FY2023/3 | 1033万円 | 845人 | +2.7% |
| FY2024/3 | 1074万円 | 821人 | +4.0% |
| FY2025/3 | 1124万円 | 815人 | +4.7% |
平均年収1,124万円は化学業界トップクラスの水準。FY2025/3は前年比+50万円(+4.7%)と大幅上昇。持株会社のため従業員数は約800名と少数精鋭ですが、連結では約7.3万名を擁するグローバル企業。平均年齢43.5歳、平均勤続年数19.3年と安定した雇用環境です。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率が27.0%と高く、多様な視点を取り入れた透明性の高い経営体制を構築しています。監査報酬の規模や広範な開示姿勢からも、東証プライム上場企業として強固なコーポレート・ガバナンスを維持しており、持続的な成長と社会課題の解決を両立させる経営を目指しています。
メディアでどれくらい注目されてる?
どんな話題が多い?
最近の出来事
豪州のデジタルサービス企業を買収し、DX領域の事業成長を加速させる方針を公表。
第3四半期決算にて通期連結業績予想を上方修正、営業利益は3350億円を見込む。
コニカミノルタとの複合機部品調達を統合する新会社を正式に立ち上げ。
株の売買状況と今後の予定
時価総額は3.7兆円と化学セクターにおいてトップクラスを誇ります。PER13.8倍、PBR1.08倍は過去の成長性を考慮するとやや割安な水準に放置されている印象を受けますが、信用買い残が470万株を超える高水準(信用倍率77倍)となっており、短期的には上値が重い展開が想定されます。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2026/3 予 | 331000百万円 | 69000百万円 | 20.8% |
FY2026/3の税引前利益予想は3,310億円に対して、法人税等は690億円を見込んでいます。実効税率は約20.8%となっており、標準的な税率水準です。グローバルに事業を展開しているため、各国の税制や税効果会計の影響を考慮した合理的な納税計画となっています。
誰がこの会社の株を持ってる?
信託銀行経由の機関投資家が最大株主。外国人持株比率は約30%と高く、グローバル機関投資家の注目度が高い。特定のオーナーや親会社が存在しない、独立性の高い経営体制が特徴です。日本生命やSTATE STREET BANKなど国内外の長期投資家が安定保有しています。
会社の公式開示情報
役員報酬
EDINET開示情報によると、同社はヘルスケア、マテリアルズ、ビジネスイノベーションの3本柱で構成されており、特定の事業に依存しない多角的な収益基盤を築いています。主な事業リスクには為替変動の影響や国際的な地政学リスク、技術革新に伴う市場の変化などが挙げられ、これらに対して柔軟に対応する体制をとっています。
最新ニュース
リスク要因
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富士フイルムHD まとめ
「写真フィルムの祖業から転換し、バイオ・ヘルスケアと半導体材料で成長を牽引する多角化の成功モデル」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
最終更新: 2026年3月3日 06:00 JST / データ提供: OSHIKABU