三菱ケミカルグループ
Mitsubishi Chemical Group Corporation
「伝統的な総合化学の枠組みを壊し、高収益なスペシャリティ企業への脱皮を図る過渡期」
ひとめ診断
この会社ってなに?
三菱ケミカルグループは日本最大級の総合化学メーカーですが、PBRは0.84倍と低迷しています。現在「新中期経営計画2029」のもと、汎用石化事業の再編や4,000億円規模の非中核事業の整理・売却を通じたポートフォリオ変革を推進中です。FY2025は売上高4兆4,074.1億円、営業利益1,966.94億円を見込んでおり、スペシャリティマテリアルズ分野への資源集中による収益性改善が急務となっています。
サービスの実績は?
株価チャート
594.1円
1,171円
儲かってるの?
三菱ケミカルグループの業績は、構造改革や不採算事業の売却に伴い、売上収益が一時的に減少するものの、収益性の改善を伴う利益の回復を目指す過渡期にあります。FY2025/3は前年比で純利益が約450億円に留まりましたが、FY2026/3の予想では、事業ポートフォリオの最適化効果により純利益は1,450億円まで大幅に拡大する見通しです。この成長は、汎用化学品からスペシャリティマテリアルズ(機能性化学品)中心の体制への転換を加速させていることが背景にあります。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2024/3 | 5.3% | 2.0% | 6.0% |
| FY2025/3 | 2.0% | 0.8% | 4.5% |
収益性指標は、大型の構造改革費用や事業環境の変化により、ROEがFY2024/3の5.3%からFY2025/3には2.0%へ低下するなど、足元では厳しい水準が続いています。営業利益率も6.0%から4.5%へと低下しており、汎用原料部門の苦戦が全体の収益率を押し下げました。今後はスペシャリティ分野への集中投資により、資本効率の改善と利益率の引き上げを両立させる経営が求められています。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 利回り | 配当性向 |
|---|---|---|---|
| FY2024/3 | 32円 | 3.10% | 38.1% |
| FY2025/3 | 32円 | 3.10% | 101.1% |
三菱ケミカルグループは「中期経営計画2029」において配当性向35%を目安とし、利益成長に応じた配当の継続と増配を方針としています。FY2025/3は一時的な利益減により配当性向が100%を超えましたが、年間配当は32円を維持し、株主への安定的な還元を優先しました。今後は業績回復に伴い、目標性向に基づいた持続的な還元強化が期待されます。
割安?割高?
同じ業界の平均と比べると…
PER=株価が利益の何年分か(低いほど割安)/ PBR=株価が資産の何倍か(1倍未満は割安)
財務は安全?
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2024/3 | 465146 | -246087 | -241724 | 219059 |
| FY2025/3 | 552847 | -275434 | -246654 | 277413 |
強固な営業活動によるキャッシュフロー創出能力を背景に、FY2025/3はフリーキャッシュフローが約2,774億円に達しました。積極的な設備投資や事業再編に関連する投資キャッシュフローを十分に賄う構造を確立しており、資金繰りは安定しています。この資金力を源泉に、成長性の高いスペシャリティ分野への再投資と、株主還元への配分を継続しています。
株主にどれだけ報いた?
※ 基準時点を100%として、配当込みの株主総利回りを比較
過去5年間のTSR(株主総利回り)は、TOPIXに対して一貫してアンダーパフォームしています。これは、汎用石化事業の市況低迷や医薬品事業の特許切れ問題などが重なり、同業他社と比べて自己資本利益率(ROE)が低迷していることが主な要因です。構造改革による資本効率の改善が急務となっています。
もし昔100万円買ってたら?
過去10年以上、株価はボックス圏での推移が続いており、長期的なキャピタルゲインは限定的です。しかし、直近1年間では構造改革への期待感から株価は堅調に推移しており、底値圏から投資した場合は70%以上のリターンを得られています。高配当利回りを活かしたインカムゲイン狙いの投資家にとっても下値が支えられやすい銘柄となっています。
会社の計画は順調?
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024 | 45000億円 | 44000億円 | 43872.2億円 | -2.5% |
| FY2025 | 46230億円 | 44000億円 | 44074.1億円 | -4.6% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024 | 2500億円 | 2600億円 | 2618.31億円 | +4.7% |
| FY2025 | 2100億円 | 1950億円 | 1966.94億円 | -6.3% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
新中期経営計画2029では、事業ポートフォリオの大胆な入れ替えが進行中です。4,000億円規模の事業整理・売却はすでに9割以上を実行し、田辺三菱製薬の譲渡や汎用石化事業の再編など構造改革が加速しています。一方で、コア事業であるスペシャリティマテリアルズの収益化には時間がかかっており、全社の営業利益や売上高の目標に対してはビハインドの状況が続いています。
社長はどんな報酬?
役員報酬総額を人数で割った平均値に基づくと、従業員平均年収との倍率は他のグローバル企業と比較してかなり低水準に留まっています。これは日本企業特有の報酬体系や、業績連動型株式報酬の構成比がグローバル大手とは異なることが背景にあると考えられます。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| FY2022/3 | 949万円 | 223人 | -6.1% |
| FY2023/3 | 1045万円 | 430人 | +10.1% |
| FY2024/3 | 973万円 | 501人 | -6.9% |
| FY2025/3 | 1059万円 | 414人 | +8.8% |
純粋持株会社のため従業員数は414名と少数。平均年収は1,059万円と高水準で、管理部門・経営企画部門の専門人材が中心。年収のブレ幅が大きいのは賞与の業績連動部分が大きいため。連結ベースでは約7万人のグループ従業員を抱える巨大組織です。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は8.3%と、グローバル基準や政府目標と比較すると改善の余地が大きい状況です。監査体制については報酬額が8.4億円と非常に高額であり、巨大なグループを統治するための厳格な監視・監査機能に多大なコストを割いています。
メディアでどれくらい注目されてる?
どんな話題が多い?
最近の出来事
田辺三菱製薬が田辺ファーマ株式会社へ商号変更し、グループの事業再編を完了。
合成樹脂エマルジョン事業をコニシへ譲渡し、スペシャリティケミカル企業への脱皮を加速。
第3四半期決算にて売上収益2兆7373億円と減収減益を発表し市場の注目を集めた。
株の売買状況と今後の予定
PER10.1倍、PBR0.84倍と、化学セクター平均と比較しても割安なバリュエーションで放置されています。配当利回りは3%を超えており、下値不安は少ないものの、信用倍率が6.23倍と買い残が積み上がっており、上値が重い展開が予想されます。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2026/3 予 | 202000百万円 | 57000百万円 | 28.2% |
FY2026/3の予想税引前利益2,020億円に対し、法人税等は約570億円を見込んでいます。実効税率は28.2%であり、国内および海外拠点における税負担が適切に織り込まれています。構造改革に伴う一時的な損失の損金算入や、各国の税制改正を反映した標準的な納税水準を維持する見通しです。
誰がこの会社の株を持ってる?
特定の支配株主は存在せず、国内外の機関投資家が幅広く保有する典型的な大型株の株主構成。海外機関投資家(State Street、JP Morgan等)の保有比率が高く、外国法人等の合計は約30%。明治安田生命・日本生命など大手生保も安定株主として存在。三菱グループの持合い関係は限定的です。
会社の公式開示情報
役員報酬
EDINET情報によれば、事業リスクとして激しい市場競争や原材料価格の変動、地政学的リスクなどが挙げられています。現在はベーシックマテリアルズからスペシャリティマテリアルズへ事業構造を大きく転換しており、成長性を高めるための構造改革費用が直近の財務数値に影響を与えています。
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リスク要因
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三菱ケミカルグループ まとめ
「伝統的な総合化学の枠組みを壊し、高収益なスペシャリティ企業への脱皮を図る過渡期」
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最終更新: 2026年3月3日 06:00 JST / データ提供: OSHIKABU