東レ
TORAY INDUSTRIES,INC.
「素材の力で世界を変える、先端材料のデパートメントストア」
ひとめ診断
先端材料で世界を変える、素材産業のグローバルリーダー
世界が直面する「発展」と「持続可能性」の両立をめぐる地球規模の課題に対し、革新技術・先端材料により本質的なソリューションを提供する。
この会社ってなに?
あなたが普段着ている軽くて暖かいインナーや、夏に涼しい機能性ウェアの裏側には、東レの繊維技術が使われているかもしれません。また、旅行で飛行機に乗るとき、機体の軽量化と燃費向上に貢献しているのは同社の「炭素繊維」です。さらに、スマートフォンやテレビのディスプレイ、浄水器のフィルターなど、目に見えないところで私たちの快適な生活を支える「素材」を世界中に提供しています。
東レは衣料用繊維から航空機向け炭素繊維、水処理膜まで幅広い素材を手掛ける日本を代表する化学メーカーです。FY2025の売上高は2兆5,632.8億円、営業利益は1,274.53億円と、前期(576.51億円)から大幅な増益を見込んでいます。アパレル向け素材の堅調さに加え、航空機向け炭素繊維の需要回復が業績を牽引しており、サステナビリティ課題を解決する革新的な素材開発に注力しています。
社長プロフィール
私たちは「新しい価値の創造を通じて社会に貢献する」という理念のもと、革新的な先端材料の提供を通じて地球規模の課題解決に取り組んでいます。持続可能な社会の実現と企業の持続的な成長を両立させていきます。
この会社のストーリー
1949年に株式上場を果たし、日本の繊維産業を牽引する存在として歩み始めました。
ユニクロとの戦略的提携により、製造業と小売業の枠を超えた成功モデルを構築し、世界中に革新的な衣料を生み出しました。
童夢カーボンマジックを買収し「東レ・カーボンマジック」を発足。炭素繊維複合材料などの最先端分野へ果敢に挑戦しました。
欧州のエアバッグ縫製メーカーを買収するなど、積極的なM&Aを通じてグローバル市場での競争力とソリューション提供力を高めました。
中期経営課題「AP-G 2025」をスタート。ゼロエミッション電源の導入などを推進し、持続的な成長と社会課題の解決を目指しています。
注目ポイント
衣料用の繊維にとどまらず、炭素繊維や高機能樹脂など「先端材料のデパート」として幅広い産業を根底から支えています。
ファーストリテイリングとの長期的な戦略的パートナーシップにより、高機能で快適な衣料を世界中の人々に提供し続けています。
環境配慮型素材や植物由来繊維の開発、ゼロエミッション化の推進など、地球規模の課題解決に向けた事業展開を行っています。
サービスの実績は?
株価チャート
818円
1,353.5円
儲かってるの?
東レの業績は回復基調にあり、FY2025/3期の売上収益は約2兆5,633億円と前期比で増収を達成しました。営業利益も約1,275億円まで大幅に改善しており、構造改革や製品価格の是正効果が顕在化しています。FY2026/3期も引き続き堅調な事業運営が見込まれており、最終利益は約820億円へのさらなる伸長を計画しています。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2024/3 | 1.2% | 0.6% | 2.3% |
| FY2025/3 | 4.3% | 2.4% | 5.0% |
収益性は改善傾向にあり、売上高営業利益率はFY2024/3の2.3%からFY2025/3には5.0%まで上昇しました。これは、高付加価値製品へのシフトと効率的な生産体制の構築が寄与した結果です。ROEについても1.2%から4.3%へ大きく改善しており、資本効率の向上に向けた経営改善の成果が表れ始めています。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 利回り | 配当性向 |
|---|---|---|---|
| FY2024/3 | 18円 | 1.56% | 131.7% |
| FY2025/3 | 18円 | 1.56% | 36.8% |
配当政策においては、安定的な利益配分を継続することを目指しており、年間18円の配当を維持しています。FY2025/3期には業績の回復により配当性向が約36.8%まで改善し、利益成長を株主に還元する姿勢が強まりました。今後は収益拡大を通じた持続的な還元が期待されており、配当の質と安定性が強化されています。
割安?割高?
同じ業界の平均と比べると…
PER=株価が利益の何年分か(低いほど割安)/ PBR=株価が資産の何倍か(1倍未満は割安)
財務は安全?
財務健全性は強固であり、自己資本比率はFY2025/3時点で51.9%という高い水準を維持しています。総資産は約3兆2,926億円規模で推移しており、有利子負債を実質的に制御することで安定した財務基盤を構築しています。BPS(1株当たり純資産)も着実に積み上がっており、中長期的な経営の安全性は極めて高いと言えます。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2024/3 | 185680 | -120997 | -70370 | 64683 |
| FY2025/3 | 255033 | -63198 | -188520 | 191835 |
営業キャッシュフローは、FY2025/3期に約2,550億円を創出するなど、力強いキャッシュ創出能力を証明しています。投資を適切にコントロールしつつ、フリーキャッシュフロー(FCF)は約1,918億円と大幅な黒字を確保しました。手元資金の蓄積と有利子負債の削減を両立させることで、将来の成長投資に向けた資金余力が高まっています。
株主にどれだけ報いた?
※ 基準時点を100%として、配当込みの株主総利回りを比較
東レのTSR(株主総利回り)は、過去数年間にわたりTOPIXと同等またはそれを上回る水準で推移しています。特にFY2025においては、自社TSRが233.5%とTOPIXの213.4%をアウトパフォームしました。これは、航空機需要の回復による炭素繊維事業の収益改善と、サステナビリティ関連素材への中長期的な期待が株価を押し上げた結果と言えます。
もし昔100万円買ってたら?
素材産業は景気循環の影響を受けやすいものの、航空機向け炭素繊維の需要回復や円安の追い風を受け、直近1年間で株価は大きく上昇しました。長期保有においても、事業ポートフォリオの多角化により安定したリターンを生み出しています。
会社の計画は順調?
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2022 | 1200億円 | — | 1327億円 | +10.6% |
| FY2023 | 1300億円 | — | 955億円 | -26.5% |
| FY2024 | 1100億円 | 600億円 | 576.51億円 | -47.6% |
| FY2025 | 1200億円 | — | 1274.53億円 | +6.2% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
過去の中期経営計画では、市況悪化やパンデミックの影響で高い目標に対して未達となるケースが散見されました。しかし、現行の「プロジェクト AP-G 2025」では、サステナビリティ・イノベーション(SI)事業などの成長領域にリソースを集中させ、持続的な利益成長を目指しており、足元の業績予想は目標値に迫る順調な進捗を見せています。
社長はどんな報酬?
役員報酬総額を人数で単純平均すると、経営幹部の報酬水準は従業員の平均年収と極めて近い範囲に収まっており、非常にフラットな報酬体系を採用しています。これは日本伝統企業における特徴的なガバナンスの姿であり、経営陣が過度な高額報酬を避け、長期的な企業価値向上に向けた経営資源の配分を重視している姿勢の表れと言えます。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| FY2022/3 | 734万円 | 7175人 | +3.5% |
| FY2023/3 | 756万円 | 6992人 | +3.0% |
| FY2024/3 | 765万円 | 6995人 | +1.2% |
| FY2025/3 | 821万円 | 7010人 | +7.3% |
平均年収821万円は繊維業界トップクラスの水準。FY2025/3は前年比+56万円(+7.3%)と大幅上昇。単体約7,000名、連結約48,800名を擁する大組織。平均年齢40.8歳、平均勤続年数17.4年と安定した雇用基盤を維持しています。
この会社のガバナンスは?
東レは、女性役員比率12.0%と多様性の確保を進めており、取締役会の実効性向上とリスク管理体制の強化を経営の最優先課題として掲げています。巨額の設備投資を伴うグローバル企業として、監査報酬への高い支出を通じた厳格な監査体制を維持しており、コーポレート・ガバナンスの透明性を重視した運営体制を敷いています。
メディアでどれくらい注目されてる?
どんな話題が多い?
最近の出来事
第3四半期累計で65%の増益を達成し、素材需要の回復とコスト改善が寄与した。
通期最終利益の見通しを9%上方修正し、収益性の改善姿勢を市場に示した。
取締役報酬制度を改定し、中長期的な企業価値向上に向けたインセンティブ報酬を導入。
株の売買状況と今後の予定
時価総額1.9兆円を誇る業界のリーディングカンパニーであり、PBRは1倍を回復しています。PERは業界平均と比較してやや割高な水準ですが、これは先端材料(炭素繊維・水処理膜)の高い技術力と将来成長への期待がプレミアムとして評価されているためです。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2024/3 | 37166百万円 | 15269百万円 | 41.1% |
| FY2025/3 | 105825百万円 | 27914百万円 | 26.4% |
FY2024/3期は税引前利益が約372億円に対して法人税等が約153億円となり、特有の調整項目等により実効税率が一時的に高水準となりました。翌FY2025/3期には税引前利益が約1,058億円へと大幅に拡大したことに伴い、法人税等は約279億円となりました。利益水準の回復により税負担の構造は安定し、実効税率は約26.4%と標準的な水準に落ち着いています。
誰がこの会社の株を持ってる?
典型的な機関投資家中心の安定株主構成。信託銀行2社で約24%を保有し、生命保険会社も上位に入る日本の大型株らしい構造です。外国人投資家比率も高く(約30%)、グローバルなESG投資の対象銘柄としても注目されています。特定の支配株主は存在せず、経営の独立性は高い。
会社の公式開示情報
役員報酬
EDINET開示情報によれば、東レは「繊維」「機能化成品」「炭素繊維複合材料」「環境・エンジニアリング」「ライフイノベーション」など多角的なセグメントを擁しています。特に炭素繊維複合材料事業における世界的な競争力と、原材料価格高騰や地政学リスクを伴うグローバルサプライチェーンの安定確保が、同社の継続的な事業リスクの核心となっています。
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東レ まとめ
「素材の力で世界を変える、先端材料のデパートメントストア」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
最終更新: 2026年3月3日 06:00 JST / データ提供: OSHIKABU