キリンホールディングス
Kirin Holdings Company,Limited
「ビールからヘルスサイエンスへ、多角化と構造改革で『食と医』の融合に全振りする巨大飲料グループ」
ひとめ診断
食から医まで、健康とよろこびを届けるCSV先進企業
食から医にわたる領域で価値を創造し、世界のCSV先進企業となること
この会社ってなに?
普段の食事のとき、あなたが何気なく手に取る「一番搾り」や「午後の紅茶」。実はキリンは飲み物だけでなく、免疫ケアの「プラズマ乳酸菌」やファンケルの化粧品・サプリメントなど、私たちの健康や美容を支える事業にも力を入れています。普段目にするスーパーやコンビニの棚の裏側で、長年のビール造りで培った発酵技術を活かし、「薬や健康食品」を生み出すバイオ企業へと静かに進化を遂げているのです。
売上高は2兆3,383.8億円(FY2024)、営業利益は1,253.40億円と巨大な事業基盤を誇る。近年はビール事業の安定収益を元手に、約2,200億円でのファンケル完全子会社化などヘルスサイエンス・医薬領域へ経営資源を大きくシフト。固定的な3カ年の中期経営計画を実質廃止し、長期構想「KV2027」に基づくローリング計画で環境変化への対応力と持続的成長を狙っている。
社長プロフィール
食から医にわたる領域で新たな価値を創造し、世界のCSV先進企業を目指します。お客様の健康とよろこびへの貢献を通じて、持続的な成長を実現してまいります。
この会社のストーリー
ビール事業を中心として創業し、日本の食文化とともに成長の第一歩を踏み出しました。
「キリンホールディングス」へと社名を変更し、協和発酵グループとの提携により医薬事業の強化を図りました。
海外の不採算事業の売却や飲料事業の販促費見直しなど、収益改善に向けた構造改革を推進しました。
「食から医にわたる領域での価値創造」を掲げ、ヘルスサイエンス事業を新たな柱とする方向性を打ち出しました。
ファンケルの完全子会社化に向けたTOBを実施するなど、健康関連事業への経営資源シフトを加速させています。
注目ポイント
DOE(株主資本配当率)5%以上を目安とした累進配当方針を導入。自社製品などがもらえる株主優待も投資家から人気を集めています。
伝統的な酒類・飲料事業で安定収益を稼ぎつつ、協和キリンやファンケルを中心とした医薬・ヘルスサイエンス事業を新たな成長エンジンとして育成しています。
社会への貢献と企業利益を両立させる「CSV先進企業」を目標に掲げ、人々の健康や環境問題の解決に積極的に投資しています。
サービスの実績は?
株価チャート
1,961円
2,742円
儲かってるの?
キリンホールディングスの業績は、売上収益が2兆3,384億円に達し、国内外の酒類・飲料事業の拡大が寄与しています。一方で、FY2024/3の営業利益は1,253億円、当期利益は582億円まで一時的に減少しましたが、これは事業ポートフォリオの再編に伴う費用が影響した結果です。FY2025/3の予想では、利益面での回復を見込んでおり、当期利益は1,500億円の増益を目指しています。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2023/3 | 7.9% | 3.9% | 7.0% |
| FY2024/3 | 3.8% | 1.7% | 5.4% |
収益性については、FY2024/3時点で営業利益率は5.4%と前期の7.0%から低下しており、原材料高騰や戦略的な投資費用の増加が要因です。ROE(自己資本利益率)は3.8%、ROA(総資産利益率)は1.7%と、資本効率の面で課題が残る結果となりました。今後はヘルスサイエンス事業の強化を通じ、さらなる高収益体質への転換を図ることが重要となります。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 利回り | 配当性向 |
|---|---|---|---|
| FY2023/3 | 71円 | 2.72% | 51.0% |
| FY2024/3 | 71円 | 2.72% | 98.8% |
配当方針として、DOE(株主資本配当率)5%以上を安定的かつ持続的な水準の目安としています。原則として累進配当(配当を減らさず、増配または維持を行う)を実施する方針を掲げ、株主への還元を強化しています。一時的な利益変動に左右されず、長期的に株主利益を最大化する姿勢が示されています。
割安?割高?
同じ業界の平均と比べると…
PER=株価が利益の何年分か(低いほど割安)/ PBR=株価が資産の何倍か(1倍未満は割安)
財務は安全?
財務健全性に関しては、総資産が3兆3,542億円へと拡大しており、積極的な事業買収が資産規模の押し上げに寄与しています。純資産も1兆5,337億円を確保していますが、自己資本比率は35.2%と前年から低下傾向にあります。有利子負債をゼロとする強固な資本構造を維持しつつ、将来の成長投資と財務の安定性をどう両立させるかが鍵となります。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2023/3 | 203206 | -226091 | 35909 | -22885 |
| FY2024/3 | 242844 | -329375 | 58125 | -86531 |
営業活動によるキャッシュフローはFY2024/3に約2,428億円のプラスを維持し、安定した本業の稼ぐ力を示しています。投資キャッシュフローはファンケル等の子会社化に伴う支出により約3,294億円のマイナスとなり、フリーキャッシュフローは一時的にマイナスとなりました。成長に向けた戦略的投資を優先した結果であり、将来的な事業価値向上のための必要な先行投資と位置付けられます。
もし昔100万円買ってたら?
主力のビール事業の安定したキャッシュフローを背景に、長期的には堅調な株価推移を見せています。特にファンケルの完全子会社化など、ヘルスサイエンス事業への本気度が市場に評価され始め、直近の株価は底値の1,961円から2,600円台まで大きく回復しています。配当利回りの高さも株価の下支え要因です。
会社の計画は順調?
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2023 | 2兆1,000億円 | — | 2兆1,343億円 | +1.6% |
| FY2024 | 2兆2,700億円 | — | 2兆3,383億円 | +3.0% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2023 | 1,600億円 | — | 1,502億円 | -6.0% |
| FY2024 | 1,450億円 | — | 1,253億円 | -13.5% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
キリンHDは環境変化への迅速な対応のため、従来の3カ年固定の中期経営計画を実質的に廃止し、長期構想「KV2027」に向けた単年度ローリング方式へ移行しました。FY2024は売上高で2兆3,383億円と過去最高水準を達成したものの、構造改革やファンケル等の買収関連費用が影響し、営業利益は計画を下回る結果となりました。今後はヘルスサイエンス領域の収益化が焦点です。
社長はどんな報酬?
代表取締役の報酬は、基本報酬に加え業績連動報酬や株式報酬が適切に組み合わされています。中長期的な企業価値向上に向けたインセンティブ設計がなされており、従業員平均年収との倍率は、製造業・大手食品メーカーの一般的な範囲内に収まっています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| FY2021/12 | 870万円 | 1156人 | - |
| FY2022/12 | 942万円 | 914人 | +8.3% |
| FY2023/12 | 956万円 | 977人 | +1.5% |
| FY2024/12 | 1001万円 | 1067人 | +4.7% |
平均年収がFY2024に初めて1,000万円の大台を突破。持株会社のため従業員数は約1,000名(単体)。連結従業員数は約29,000名。平均年齢は低下傾向にあり、若手人材の採用が進んでいる。
メディアでどれくらい注目されてる?
どんな話題が多い?
最近の出来事
ヘルスサイエンス事業の拡大を目指し、株式会社ファンケルを約2200億円で完全子会社化することを発表。
2025年12月期の最終利益が前年比2.5倍の1475億円に拡大し、年間配当を2円増配することを決定。
酒類・飲料事業のブランド力強化と海外成長を見据えた2026年度の事業戦略を公表。
株の売買状況と今後の予定
PER14.1倍は、安定した食品セクターとしては適正〜やや割安な水準です。注目すべきは2.91%という高い配当利回りで、会社側もDOE(株主資本配当率)5%以上・累進配当を掲げており、インカムゲイン狙いの投資家にとって非常に魅力的な水準となっています。信用倍率も3.16倍と過熱感はありません。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2023/3 | 162294百万円 | 49597百万円 | 30.6% |
| FY2024/3 | 85214百万円 | 27000百万円 | 31.7% |
納税状況は各期の税引前利益に対し、適切な実効税率に基づいて算出されています。FY2024/3には税引前利益が約852億円へ減少したことに伴い、法人税等も約270億円となっています。業績変動に応じて税負担額は調整されており、適正な納税を継続している状況です。
誰がこの会社の株を持ってる?
信託銀行経由の機関投資家が最大株主。明治安田生命(3.9%)が事業会社としては最大の安定株主。海外機関投資家の保有も大きく、State Street Bankなど複数のカストディアン経由で保有。
会社の公式開示情報
酒類・飲料事業を核としつつ、協和キリンを中心とする医薬事業や、ファンケル買収によるヘルスサイエンス事業へポートフォリオを大胆にシフトさせています。食から医にわたる領域での価値創造を経営の柱に掲げ、環境の変化に柔軟に対応できる持続可能なビジネスモデルを構築しています。
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キリンホールディングス まとめ
「ビールからヘルスサイエンスへ、多角化と構造改革で『食と医』の融合に全振りする巨大飲料グループ」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
最終更新: 2026年3月3日 06:00 JST / データ提供: OSHIKABU