パソナグループ
Pasona Group Inc.
「人材派遣の先駆から、福利厚生子会社売却を経て淡路島での地方創生・観光事業へ大きく舵を切る転換期」
ひとめ診断
「社会の問題点を解決する」人材サービス・地方創生のパイオニア
人と自然、テクノロジーが共生し、人々が思いやりの心でつながる真に豊かな世界「NATUREVERSE(ネイチャーバース)」の実現を目指します。
この会社ってなに?
パソナグループのサービスは、実はあなたの働き方や休日の過ごし方に密接に関わっています。あなたがオフィスで派遣社員の方と一緒に働くとき、その裏側で多様な働き方を支援しているのが同社のメイン事業です。また、休日に淡路島へ旅行に行き、おしゃれなレストランやテーマパークを楽しんだことがあるなら、それはパソナが手掛ける「地方創生事業」の一部かもしれません。単なる人材サービスにとどまらず、新しい働き方や地域の魅力を生み出すことで、私たちの生活を豊かにしてくれています。
パソナグループは人材派遣業界の老舗ですが、直近では子会社の売却益等による事業再構築を進めています。FY2024は売上高3,567.3億円、純利益958.91億円を計上した一方、FY2025は売上高3,092.4億円、営業利益-12.37億円の赤字となりました。今後は「PASONA GROUP VISION 2030」のもと、淡路島等での地方創生事業を軸に、FY2026には売上高3,300.0億円、営業利益25.00億円への黒字転換を見込んでいます。
社長プロフィール
創業半世紀を迎えたパソナグループの次の50年に向けて、生産性を高め、間接業務受託を柱とした新たな価値創造に挑戦します。社会の問題点を解決し、誰もが自由に好きな仕事を選択できる社会を目指してまいります。
会社概要
この会社のストーリー
人材派遣の先駆けとして、株式会社テンポラリーセンター(現パソナグループ)を設立。
事業の拡大に伴い、社名を株式会社パソナへと変更し、ブランドを強化。
株式会社パソナグループとして純粋持株会社体制へ移行し、株式を上場(現在は東証プライム市場)。
地方創生の一環として、兵庫県淡路島に本社機能の一部を移転する大胆なプロジェクトを開始。
ラクスやAnother works等と業務提携し、経理BPOや複業人材サービスなど企業の課題解決を包括的に支援。
中尾慎太郎氏が新社長に就任。創業半世紀を迎え、次の50年に向けた経営基盤の強化を推進。
2030年に向けた中期経営計画を推進。淡路島を中心とする地方創生・観光事業の売上高200億円を目指す。
注目ポイント
兵庫県淡路島に本社機能の一部を移転し、レストランやテーマパークの運営を通じて地方創生を推進。新たな収益の柱として期待されています。
人材派遣にとどまらず、企業の経理業務やバックオフィス業務を請け負うBPOソリューションに注力し、安定した収益基盤を確立しています。
会社予想配当利回りが約3.8%と比較的高く、淡路島の自社運営レストランや施設で利用できる30%割引券などの株主優待制度も提供しています。
サービスの実績は?
株価チャート
1,835円
2,498円
儲かってるの?
当社の業績は、FY2024/3期に純利益が約959億円と大幅な黒字を計上しましたが、これは主に保有していた福利厚生子会社株式の売却益によるものです。続くFY2025/3期は、本業の低迷やコスト構造の見直しに伴い営業利益がマイナス約12億円となり、最終損益も約87億円の赤字に転落しました。FY2026/3期は、人的資本経営の高まりを背景に、人材サービスの需要回復と徹底したコスト削減を進め、黒字化を目指す見通しです。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2024/3 | 62.0% | 31.8% | 1.9% |
| FY2025/3 | -6.1% | -3.3% | -0.4% |
FY2024/3期は、事業売却に伴う一時的な利益計上でROEが62.0%に達するなど高い収益性を示しましたが、本業の実力値ではありません。FY2025/3期には市場環境の悪化による売上総利益の低下と先行投資の負担が重なり、営業利益率が-0.4%と赤字に転落しました。今後は、人的資本経営支援やBPOソリューションなどの高付加価値事業へのシフトを通じて、収益率の改善が求められる局面です。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 利回り | 配当性向 |
|---|---|---|---|
| FY2024/3 | 75円 | 3.85% | 3.1% |
| FY2025/3 | 75円 | 3.85% | 0.9% |
当社は、株主への安定的な利益還元を重視しており、連結業績にかかわらず年間75円の配当を継続しています。現在の配当利回りは3.85%と市場平均と比較して高い水準を維持しています。将来的には、事業再構築を通じた利益成長を反映し、持続的な還元強化を目指す方針です。
割安?割高?
同じ業界の平均と比べると…
※ 各指標の下線付きテキストをタップすると説明が表示されます
財務は安全?
財務健全性については、FY2025/3期末時点で総資産が約2,650億円、純資産が約1,411億円となっており、自己資本比率は50.9%と安定した水準を維持しています。有利子負債は前年度の約838億円から約624億円へ着実に圧縮されており、負債依存度の低下が進んでいます。今後も成長投資を継続しつつ、借入金残高をコントロールすることで、さらなる財務体質の強化を図る方針です。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2024/3 | 7397 | 94252 | -12879 | 101649 |
| FY2025/3 | 4327 | -47600 | -15055 | -43273 |
FY2024/3期は、子会社株式の売却等により投資キャッシュフローがプラス約942億円となり、フリーキャッシュフローは1,016億円の大幅な黒字となりました。一方でFY2025/3期は、営業キャッシュフローの減少に加え、成長のための戦略的な設備投資やM&Aを強化したため、投資キャッシュフローがマイナス約476億円となり、フリーキャッシュフローもマイナス約433億円へ転じています。今後、これら投資先の収益化を通じた営業CFの創出が鍵となります。
株主にどれだけ報いた?
※ 基準時点を100%として、配当込みの株主総利回りを比較
パソナグループのFY2025のTSRは197.8%と、TOPIXの201.9%に対して概ねインラインで推移しています。これは、子会社売却に伴う高配当(1株あたり75円)が下支えとなった一方で、本業の収益悪化による株価の伸び悩みが相殺し合った結果と言えます。
もし昔100万円買ってたら?
過去の株価推移を見ると、上場時からの長期保有では緩やかなプラスリターンを維持していますが、直近1年間では業績の悪化(赤字転落)を受けて株価が軟調に推移しており、短期的にはマイナスリターンとなっています。
会社の計画は順調?
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024 | 3600.0億円 | — | 3567.3億円 | -0.9% |
| FY2025 | 3100.0億円 | — | 3092.4億円 | -0.2% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024 | 70.0億円 | — | 67.9億円 | -2.9% |
| FY2025 | 10.0億円 | — | -12.37億円 | 赤字転落 |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
福利厚生子会社の売却により一時的に巨額の特別利益を計上しましたが、中核事業および地方創生事業の収益化が遅れており、FY2025は営業赤字へと転落しました。現在は「VISION 2030」のもと、コスト適正化と淡路島事業の黒字化に向けた構造改革の途上にあります。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| FY2025/3 | 629万円 | 8894人 | - |
従業員平均年収は629万円であり、人材サービス業界の中では平均的な水準ですが、地方創生や多様な新規事業へ注力している影響で、職種や拠点により給与構成が多様化している傾向があります。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率が22.0%と一定の多様性を確保しており、ガバナンス体制の強化を図っています。62社の連結子会社を抱える広範なグループ経営を統括するため、監査報酬1.8億円を投じて厳格な監査体制を維持し、上場企業としての透明性向上に努めています。
メディアでどれくらい注目されてる?
どんな話題が多い?
最近の出来事
5カ年の中期経営計画「PASONA GROUP VISION 2030」を公表し事業転換を明示。
2026年5月期第1四半期において連結最終損益を赤字に下方修正を発表。
2年連続で「健康経営銘柄2026」に選定され、グループ全体の健康経営が評価。
株の売買状況と今後の予定
PERが152.0倍と極めて高い水準にありますが、これは今期の純利益予想が薄氷の黒字(5億円)にとどまるためで、実態以上の割高感を示しています。一方でPBRは0.55倍と解散価値を大きく割れ込んでおり、市場の評価は低迷しています。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2024/3 | 7152百万円 | 0百万円 | 0.0% |
| FY2025/3 | -460百万円 | 0百万円 | - |
| FY2026/3 予 | 2500百万円 | 2000百万円 | 80.0% |
FY2024/3期およびFY2025/3期は、過去の税務上の繰越欠損金の利用や事業売却に伴う会計処理の影響により、法人税等の支払額は実質的にゼロとなっています。FY2026/3期予想では、税引前利益25億円に対して法人税等を20億円と見込んでおり、一時的に高い実効税率となっています。これは過年度の調整や繰延税金資産の取り扱いが影響していると考えられ、通常の税率水準へ戻るまでには一定の時間を要する見込みです。
誰がこの会社の株を持ってる?
創業者である南部靖之氏が資産管理会社を含めて約47%の議決権を保有しており、極めて強力なオーナー支配体制が構築されています。機関投資家や信託銀行が一定の株式を保有していますが、オーナーの意向が経営戦略に直結しやすい構造です。
会社の公式開示情報
役員報酬
人材派遣を中心としたエキスパートソリューション事業が収益の柱ですが、淡路島での地方創生・観光事業への大規模な先行投資が業績変動の要因となっており、直近では構造改革とコストコントロールを重視した経営へ転換しています。
最新ニュース
ニュース一覧
関連リンク
パソナグループ まとめ
「人材派遣の先駆から、福利厚生子会社売却を経て淡路島での地方創生・観光事業へ大きく舵を切る転換期」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
最終更新: 2026年3月3日 06:00 JST / データ提供: OSHIKABU